発達障害は検査で分かるの?

各疾患のお話に入る前に、検査についてお伝えしたいと思います。

病院で行う検査には血液検査、脳波検査、CTやMRIなどの画像検査、心理検査といったものがありますが、「これだけで発達障害の診断ができる」という検査は、現時点ではありません。

精神科では、DSMやICDという診断基準を用います。
こちらを参照すると、発達障害の診断には丁寧な問診や、ご家族や周囲の方からの情報収集が必要だとわかります。
情報収集のために質問紙(アンケート)に記入いただいたり、知能検査などの心理検査を行いますが、あくまで診断のための補助的な位置付けの検査ということになります。
ただし、似た症状の疾患との鑑別が必要な場合は、必要に応じてその他の検査を行います。

いまのところ診断に使えるものはありませんが、脳機能や遺伝子を調べることで何か分からないか、という研究も進められています。