自閉スペクトラム症(ASD)の治療<薬物治療について>

症状によっては、それを和らげるためにお薬での治療が有効な場合もあります。
副作用の問題や、同じお薬でも人によって合う、合わないがあるので、学校での様子を先生から伺ったりしながら慎重に検討します。

敏感さから来る癇癪や急激な気分の波に対しては、リスペリドンやアリピプラゾールなどがあります。
イライラや不安に対しては、抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯といった漢方も選択肢にあがります。
二次障害といって、ASDによるやりづらさのためにうつや強迫など他の症状を併存する場合は、それに対するお薬を検討することもあります。

ただし、どんな場合であってもお薬を飲めばすっかり症状がなくなって万事解決、ということはありません。
お薬を使うことで症状を和らげてあげた方が、本人がやりやすくなる可能性があると判断される場合に使いますが、引き続き環境調整を試みたり、お薬以外の方法がないか考えたりすることが必要です。